全国手話検定準1級の過去問傾向|筆記・読み取り・面接
全国手話検定準1級の過去問を解いた後、どこを復習すればよいのでしょうか。このページでは、実際に出た項目・間違えやすい表現・面接の講評から、次に勉強する箇所を具体的に紹介します。
このページでは、2021〜2026年版の過去問題集6冊に収録された準1級を比較しました。筆記47大問、基本単語48問、ストーリー42話、スピーチ6テーマをもとに、繰り返し登場した内容と練習の着眼点を整理しています。

6年分を比べて見えた、準1級の復習ポイント
読み取りを基本単語とストーリーに分け、4つの観点で復習します。下の項目名から、確認したい箇所へ進めます。
ここで示す回数は、確認した6冊の中での集計です。次回の出題確率を示すものではありません。回数の少ない分野も含め、公式の準1級案内の試験範囲を一通り学んだうえで、復習の順番を決める材料にしてください。
6年分は「同じ分野を比べる」ために使う
まず1回分を解き、間違えた問題と、迷いながら正解した問題に印を付けます。正解していても、選んだ理由を説明できなければ復習の対象です。
次に、その分野が出ている別の年版を解いてみましょう。たとえば手話の構成要素なら、「位置」の違いが分かった後に、「動き」や「向き」の違いも見分けられるかを確かめます。答え合わせで終わらず、別の組み合わせでも判断できるかまで確認する使い方です。
手元にある問題集が1冊でも、間違えた項目をテキストに戻って確認し、関連する用語や表現を一緒に復習できます。このページの比較表で、まだ確認していない観点を見つけてください。
以下の年は問題集の年版を表します。題材・テーマは各冊の問題と解説をもとに要約しています。教材は公式の学習案内で確認できます。
筆記の傾向|繰り返し登場した項目を押さえる
筆記は2021年版の7大問と、2022〜2026年版の各8大問、合計47大問を比較しました。空欄の数ではなく、同じ項目が出た年版の数を数えています。
次の表は、範囲をそろえて比較できる主な項目です。「手話の構成要素」は単語同士の形・位置・動き・向きの違いを問う設問、「通訳の定義・方法」は通訳する言語・方向・目的を問う設問として整理しました。
| 項目 | 出題年版 | 6冊中 |
|---|---|---|
| 手話の構成要素 | 2022〜2026 | 5冊 |
| 通訳の定義・方法 | 2021・2025・2026 | 3冊 |
| 難聴・音の仕組み | 2021・2024・2025 | 3冊 |
| ノーマライゼーション | 2021・2023 | 2冊 |
| ボランティア | 2022・2023 | 2冊 |
| 手帳・補聴器 | 2023・2024 | 2冊 |
| 電話リレーサービス | 2022・2025 | 2冊 |
| デフリンピック・国際手話 | 2021・2026 | 2冊 |
これは全分野の順位表ではありません。たとえば、ろう教育・ろう運動・手話の普及に関する歴史は、年によって人物、団体、出版物、会議など対象が変わります。一つの狭い項目の回数だけでは、その分野全体の重要性を比べられません。
筆記で勉強する箇所|8つの復習項目
以下は、6冊で扱われた内容を学習用にまとめた項目です。最初に①〜③を点検し、その後④〜⑧をテキストと復習PDFで確認する順番を提案します。すでに説明できる項目は先へ進み、答えられない名称や区別が残っている項目に時間を使ってください。
① 手話の構成要素|形・位置・動き・向き
構成要素の比較は2022〜2026年版の5冊に登場しました。ここは、名称を暗記した後に、二つの表現のどこが違うかを見分けるところまで練習します。
- 手の形:指や手の形の違い。
- 位置:同じ手の形でも、顔・胸・腹など、表す場所の違い。
- 動き:動く方向や動かし方の違い。
- 手のひらの向き:形や位置が似ていても、向きが違う表現。
- 非手指動作:表情・視線・口形・身体の動き。手以外の働きもテキストで確認します。
2022年版の片手・両手の表現、2023年版の指文字を使う単語も見直します。片手/両手同動/両手異動の区別と、指文字と手話を組み合わせる表現を教材の映像で確認してください。
教材の映像から二つの単語を選び、「形は同じ、位置が違う」のように一言で説明してください。迷った場合は、形・位置・動き・向きを一つずつ見直します。
② 手話通訳・要約筆記|伝える方向と目的
2021・2025・2026年版の通訳に関する設問では、入力する言語、通訳の方向、保障の目的が問われています。勉強するのは次の区別です。

- 聞き取り通訳:音声言語から手話言語へ。
- 読み取り通訳:手話言語から音声言語へ。
- 要約筆記:話の内容を文字で伝える方法。手話通訳との違いを確認します。
- 身振り・手話・非言語コミュニケーション:2022・2024年版で扱われた、言語と伝達手段の違い。
- 情報保障・コミュニケーション保障:情報を受け取ることと、相互にやり取りすることを、利用場面に当てはめて整理します。
ノートには「音声 → 手話」「手話 → 音声」「話の内容 → 文字」と書き、名称を見ずに言えるようにしてください。名称に加え、何のために行うのかも一文で説明します。
③ 難聴・耳の仕組み|部位と種類を結びつける
2021・2024・2025年版で、難聴の種類や音が伝わる仕組みが扱われました。テキストの耳の図を開き、次を確認してください。
- 外耳・中耳・内耳:それぞれの場所と、音が伝わる順番。
- 伝音性・感音性・混合性難聴:どの部分に関わる難聴か。
- 補聴器などの機器:役割と、設問で扱われる難聴との関係。
「伝音性」という名称だけで終わらせず、耳の図で該当する部分を指し示せる状態にします。種類・部位・機器を別々に暗記せず、つながりを確認してください。
耳の位置や音が伝わる順番を図で確認したい方は、2級の対策講座「耳のしくみと音が聞こえる流れ」も参考にしてください。外耳・中耳・内耳と難聴の種類を、準1級の復習にも使える図解で整理しています。
④ ろう教育・ろう運動の歴史|人物・学校・会議
復習する名称を具体的に挙げると、ド・レペ、古河太四郎、京都盲唖院、ミラノ会議、第11回世界ろう者会議です。2025年版では教育に関わった人物と学校、2026年版では国際会議が扱われました。
- ド・レペ/古河太四郎:国・地域と、ろう教育への関わり。
- 京都盲唖院:設立年・場所・関わった人物。
- ミラノ会議:開催年・場所・口話法を支持した決議と、ろう教育への影響。
- 第11回世界ろう者会議:開催年・開催都市・テーマ。
年表の一行を「年・人物や会議名・場所・出来事」に分けて書きます。年号を隠して年代を答える練習と、名称を隠して人物・学校・会議名を答える練習の両方を行ってください。
⑤ 手話の普及と通訳制度|書名・団体名・事業名
2022・2024・2026年版では手話の普及、2021・2025年版では通訳に関わる会議や制度化運動が扱われています。次の名称と関係を整理します。
- 『わたしたちの手話』/全日本ろうあ連盟:発行年・発行団体・普及の役割。
- 手話サークル/手話奉仕員養成事業:活動と事業の違い、始まった時期。
- 全国手話通訳者会議/全国手話通訳問題研究会:会議と団体を区別し、つながりを確認。
- 『アイ・ラブ・コミュニケーション』:手話通訳の制度化運動との関係。
- 地域の手話/標準手話:地域差と、全国に語彙が普及する取り組み。
- 手話言語条例/手話パフォーマンス甲子園:2022年版で扱われた地域の取り組み。開始年・自治体名・名称を確認。
解説からの復習メモ(2024年版):語彙普及の設問では、『わたしたちの手話』について、発行団体・紹介の方法・標準手話の普及との関係が扱われています。書名の横に「発行した団体」「どう紹介したか」「何のためか」を書き足しましょう。
書名・団体名・事業名を混同しないことが目標です。「誰が、何を発行したか」「何の制度化を求めた運動か」を、テキストを閉じて説明してください。
⑥ 福祉の考え方|理念・生活・社会参加
2021・2023年版のノーマライゼーション、2022・2023年版のボランティアに加え、2023年版ではICFが扱われています。
- ノーマライゼーション:理念の意味と、発展した年代・国・運動の担い手。
- ボランティア:個人の意思、自発性・無償性など、テキストにある理念と意味。
- ICF:心身機能・身体構造、活動、参加。各用語が指す内容。
理念の名称だけを覚えず、暮らしの例で説明します。ICFなら「体の状態」「行う動作」「社会との関わり」を分け、どの用語に当たるかを確認してください。
解説からの復習メモ(2023年版):ICFの解説では、活動や参加を妨げる社会的障壁にも目を向けることが強調されています。身体の状態だけを書いて終わらず、「行おうとしている活動」「参加する場面」「妨げになっている環境」を分けて整理してください。
⑦ 法律・制度|名称・順番・変わった点
2022年版では障害者権利条約、2024年版では情報アクセシビリティに関わる法律、2025年版では福祉制度の移り変わり、2026年版では障害者基本法と社会的障壁が扱われました。
- 障害者権利条約:採択と日本の批准・発効を区別し、手話・言語・合理的配慮との関係を確認。
- 障害者基本法:改正年と、手話を含む言語・意思疎通手段に関わる内容。
- 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法(通称):正式名称と、情報取得・意思疎通・社会参加の関係。
- 支援費制度 → 障害者自立支援法 → 障害者総合支援法:順番・開始や施行の年・制度の変化。
- 社会的障壁/バリアフリー/合理的配慮:名称と意味を区別し、生活場面の例に当てはめる。
- 運転免許獲得運動/欠格条項改正運動:2021・2025年版で扱われた権利に関わる内容。何が制限され、何を変える運動だったかを整理。
まず正式名称と順番を覚え、その横に「何が変わったか」を一行足してください。制定・公布・施行など、何が行われた年なのかも記します。古い問題の数値や制度は、現行の公的案内と照合して復習します。
⑧ 暮らしの情報保障|用具・サービス・対象
2021・2023年版では情報保障や暮らしの用具、2022・2025年版では電話リレーサービス、2023・2024年版では手帳と補聴器が扱われました。
- 電話リレーサービス:手話・文字を使う仕組み、双方向のやり取り、公共サービスの開始に関わる知識。
- 光・振動を使う用具/聴導犬/聴覚障害者用情報受信装置:何を知らせ、どの場面で役立つか。
- 身体障害者手帳/補装具費支給制度/補聴器:対象や聴力基準と、制度同士の関係。
- 災害時の情報保障:会見や緊急情報での手話通訳、情報を受け取る手段。
- デフリンピック/パラリンピック/国際手話:大会の対象・歴史と、国際交流に使われる手段の区別。
用具やサービスの名前の横に「用途」を書いてください。数値を覚える項目は、単位と条件も一緒に確認します。
筆記を解いた後に知識をまとめ直したいときは、6年分を照合した復習PDFも使えます。間違えた分野に戻り、説明できなかった点を書き足していきましょう。
筆記の復習まとめ
全14ページ・無料・約3.6MBの学習用まとめです。
個人の学習用です。無断転載・再配布・販売はご遠慮ください。
このPDFについて
手話ライフの学習用まとめです。公式教材ではありません。テキストや過去問と合わせて復習にお使いください。2026年10月7日改訂。
基本単語の傾向|正解の単語と、似た表現を比べる
6冊には各8問、計48問の基本単語の読み取りが掲載されています。ここでは正解として扱われた語と、選択肢として載った語を分けて見ました。選択肢に一度載っただけの語まで「頻出単語」と数えると、復習の優先順位を誤りやすくなるためです。
正解の語が複数年で重なった例には、「憲法」(2021・2024年版)、「公共」(2022・2024年版)があります。一方で、経済や仕事、健康、国名・地域名、抽象的な意味の語など、題材は広く分かれています。この2語だけに絞るための一覧ではありません。
単語は、仕事・社会・健康・地域の語を見直す
正解として扱われた語の例を、分野ごとに挙げます。括弧内は出題された年版です。
- 仕事・経済:求人(2021)、経営(2022)、財政(2025)。
- 抽象的な意味:義務・根拠(2025)、人格(2026)。
- 健康:コレステロール(2022)、ウイルス(2025)、火傷(2026)。
- 地域名:ハワイ・マレーシア(2022)、メキシコ(2023)。
テキストの基本単語一覧を開き、日本語を見て表現できるか、映像を見て意味を答えられるかを別々に確認してください。片方で迷った語に印を付け、映像と自分の表現を見比べます。
「覚えておこう!」の解説も使って、似た単語を比べる
『これで合格!2026 全国手話検定試験 DVD付き』(中央法規出版)などの過去問題集にある「覚えておこう!」は、間違えやすい単語の表現を図で確認する欄です。単語の解説と合わせて、正解以外の表現や、似た単語との違いも確認できます。正解語を覚えた後、似た単語と何が違うかを確かめるために使ってください。以下は解説の要点を言い換えた復習メモです。

単語の復習メモ|解説にある間違えやすい点
①同じ指の形でも、動きと意味が違う(2023年版)
「インフレーション/デフレーション」は、意味と動きを対応させて復習する組み合わせです。「人工/人材」「指名/批判」も、似た手の形だけで選ばず、動きや指し示す対象まで教材で比べてください。
②間違いの多かった単語を、先に見直す(2024・2026年版)
2024年版の解説では「管理」と「検事」の混同が多く、管理の問題がその回の基本単語で最も正答率が低かったとされています。2026年版では「人格」の問題が、その回の単語問題の中で最も正答率が低かったと記されています。これは各回の講評で、6冊全体の難易度順位ではありません。これらの語は「覚えておこう!」の図と映像を使い、形・位置・動きと意味を結び直してください。
③動く回数と表情も見る(2025年版)
「言語」の解説では、動く回数で意味が変わる語があることと、文脈や話者によって一律には判断できないことが示されています。「枯れる」の解説では、表情も表現の一部として扱われています。回数だけを答えの規則にせず、手の動き・表情・意味を合わせて確認しましょう。
④対になる語・関連する語を、一緒に覚える(2023・2025年版)
解説では、輸出と輸入、領収書と請求書、被害と加害などを関連づける学習が勧められています。単語帳には二つを並べ、意味の違いと表現の違いを見比べてください。
2024年版では、ATMとキャッシュカードを混同した例もあります。意味が近いから同じ表現と考えず、最後の動きまで確認します。復習メモには「手の形は似ていたが、最後の動きを見落とした」のように、取り違えた点を書いてください。
準1級だけでなく、5〜2級の単語も復習の対象です。2024年版の「公共」の解説では、公民館・公立・公務員などの関連語も見直すよう案内されています。既に覚えた語も定期的に映像で確認し、曖昧になった表現を覚え直しましょう。
ストーリーの傾向|年ごとの題材と着眼点
ストーリーは各年版7話、合計42話を比較しました。まずは代表的な題材と、読み取りで意識したいポイントを年ごとに見比べてみてください。
| 年版 | 題材の例 | 読み取りのポイント |
|---|---|---|
| 2021 | 介護・仕事・文化 | 人物・予定・結果 |
| 2022 | 健康・IT・交流 | 変化・きっかけ |
| 2023 | 認知症・字幕・環境 | 体験・気持ち・意見 |
| 2024 | 旅・検診・資源ごみ | 想像と行動・理由 |
| 2025 | 博物館・旅行・介護 | 目的・変更理由 |
| 2026 | 通訳・条例・行事 | 関係者・数字・結論 |
年ごとの詳しい題材
各年版の7話を、掲載順に短くまとめています。
2021年版
題材:父の介護、昼食の相談、五輪、仕事、スポーツ、アニメ、病気。
2022年版
題材:仕事と旅行、健康、結婚式、IT、国際交流、父の老い、読書。
2023年版
題材:祖父の施設入居、ボランティア、海外旅行、成年年齢、字幕、環境、父の認知症と介護。
2024年版
題材:読書で楽しむ旅、政治、加齢、映画の字幕、検診、資源ごみ、AED研修。
2025年版
題材:博物館の活動、健康、運動、旅行計画、介護、リハビリ、デフリンピック。
2026年版
題材:認知症カフェ、通訳者養成、動物との遭遇、条例、海外の友人、サークル行事、健康。
題材は問題集の解説から整理したものです。表の「読み取りのポイント」は、復習に使うための手話ライフの整理で、公式の採点項目ではありません。
問題集の「試験のポイント」から|手と顔、話の全体を見る
各年版の読み取りのポイントでは、似た形・位置・動きの単語を区別すること、顔の表情・口形・うなずきも見ること、一語ずつ日本語に置き換えず全体の話をつかむことが繰り返し説明されています。手だけに視線を固定せず、顔も含めて映像を見直してください。
2026年版の案内では、ストーリーの表現を3回繰り返す構成が示されています。その形式で練習するときは、1回目で話の流れ、2回目で人物・理由・変化、3回目で迷った箇所を確かめる見方を試してください。この3回の使い分けは、手話ライフの練習提案です。
問題集は医療・生活・福祉・教育・社会など広い題材を挙げ、社会の動きへの関心も勧めています。新聞やニュースで出会った用語の意味を確かめ、その語を手話でどう表すか教材で調べる習慣を付けましょう。
読み取りでは、この5つを練習する
題材の名前を知るだけでは、ストーリーの理解は確かめられません。過去問を一話見たら、人物・時点・理由・数字・結論の5つを整理してください。
- 人物:話し手・家族・友人など、誰の行動や気持ちか。父・祖父・母を混同しない。
- 時点:以前・今・これから。実際にしたことと、希望や想像を区別する。
- 理由:なぜ受診したか、なぜ予定を変えたか、何が行動のきっかけか。
- 数字:人数・年齢・日数・金額など。どの人物や出来事に関わる数字か。
- 結論:最後に何を決めたか、気持ちがどう変わったか、今後どうするか。
見終えたら「誰が/いつ/なぜ/どうなった」を短く書きます。書けなかったところを解説で確認し、その部分の映像を見直してください。数字が出る話では、数字と対象を組にしてメモします。これは復習時の整理方法で、試験中の筆記を勧めるものではありません。
介護や健康は、「誰に何が起きたか」を追う
家族の認知症を扱う話は、2021・2022・2023・2025・2026年版にありました。父や祖父、母など人物が変わり、手続き、家族の負担、交流の場での変化など、焦点も変わっています。
この分野では、父・祖父・母などの家族関係、以前と現在の状態、受診や手続き、家族の対応、本人の気持ちを重点的に追ってください。復習では、このうちどの情報を取り違えたかを一つ特定します。病名が分かっただけで話の結論を決めず、対応後の変化まで見直しましょう。
情報保障は、仕組みと本人の体験を分ける
2023・2024年版には字幕と映像作品、2025年版には博物館での手話による案内、2026年版には通訳者養成や手話言語条例に関する話がありました。
この分野では、字幕・手話・文字などの伝達手段、情報を受け取る人、困った場面、改善された点や本人の意見を確認してください。博物館の話なら、誰に何をどう伝える活動かを整理します。条例や通訳者養成の話でも、制度名だけでなく、話し手が伝えている活動や課題まで受け取ります。
旅行や行事は、候補と最終決定を分ける
2021年版の昼食の相談、2025年版の旅行計画、2026年版のサークル行事は、候補や提案と、その後の決定を区別して振り返れる題材です。
勉強する箇所は、最初の候補・変更した理由・最終的な行き先や活動です。2024年版には本を読んで旅を想像する話もあったため、実際の旅行と想像の旅行も区別します。地名が出た箇所だけで答えを決めず、したこと・したかったこと・これからすることを分けて確認してください。

図の例では「公園」が最初の予定、「公民館」が最終決定です。過去問でも、途中に出てきた候補を最終的な答えと取り違えていないか、話の終わりまで確かめましょう。
面接の傾向|6回のスピーチテーマを比べる
スピーチの前には、受験番号と名前を手話で表します。番号と名前を伝えるところから練習しておきましょう。
確認した6回は、いずれも2分間のスピーチの後に、面接委員との手話での会話が続く構成でした。以下は実際に掲載されたスピーチテーマの要約です。
- 2021年版・第15回
- コロナによる外出自粛中の過ごし方
- 2022年版・第16回
- コロナ禍収束後にしたいこと・活動
- 2023年版・第17回
- ボランティアの経験と、これからやってみたいこと
- 2024年版・第18回
- ドラマや映画でろう者・手話が取り上げられることへの考え
- 2025年版・第19回
- きこえない人や手話について、周囲に伝えたいこと
- 2026年版・第20回
- ろう者との交流についての思い
これは過去6回のテーマの要約です。次回のテーマを予測した一覧ではありません。
スピーチ後はどのくらい質問される?
2分間のスピーチの後は、3分間の手話での会話が続きます。6〜7つくらいの質問を目安に、続けて答える練習をしましょう。 その都度、質問の手話を読み取り、答える流れを想定しておくと、本番の心の準備ができます。
「ろう者との交流」をテーマに、手話ライフで考えたオリジナルの練習用質問例です。自分の経験や考えをもとに答えてみましょう。
| 練習用の質問例 |
|---|
| ろう者と交流して、特に印象に残っている出来事はありますか。 |
| 手話での交流を続けるために、普段どんな学習や活動をしていますか。 |
| 手話の学習を続けるとき、どんなことを心がけていますか。 |
| 手話を学び続けたいと思うのは、どんな理由からですか。 |
| 今の手話の力を、どのような場面で生かしてみたいですか。 |
| 身近な人に手話への関心を持ってもらうには、どんな工夫ができそうですか。 |
交流の経験から、日々の学習や心がけ、これからの活動へと話題を広げる練習です。自分のスピーチで触れたことについて、理由や具体的な経験を補足できるようにしておきましょう。
3分間の会話で、複数の質問に応答することを意識して練習しましょう。
問題集の解説・講評では、具体的な内容で応答すること、2人の面接委員の顔を見て、会話を広げたり深めたりする姿勢が取り上げられています。練習でも、まず聞かれたことに答え、理由や具体例を一つ添えてみましょう。
問題集の解説・講評から|面接で直すポイント
ここでは「試験のポイント」と合格者の「参考解答と講評」から、勉強に使える点を要約します。具体的な練習方法は、要点をもとにした手話ライフの提案です。
面接の復習メモ|テーマ・視線・表現・応答
①テーマに答えているかを、最初に確かめる
6冊のポイントでは、手話の表現が上手でも、テーマから外れると減点になることが説明されています。まず「何を尋ねられたか」「何を答えるか」を一文ずつ書いて比べてください。
②視線を落としたまま話さない
2021〜2026年版の講評では、面接委員を見て話す姿勢が取り上げられています。原稿を見る練習から、相手の顔を見て伝える練習へ進みましょう。二人の面接委員がいる場面も想定し、一方だけを見続けていないかを確認します。
③表情とテンポで、気持ちや変化を伝える
2022・2023年版などでは、内容に合う表情や表現の変化が、気持ち・状態を伝える点で評価されています。「うれしかった」「困った」「以前と変わった」などの内容に合わせて、表情や間を使って伝えます。いつも笑顔にするという意味ではありません。
④似た単語を、口形だけで区別しない
2024年版の講評では、映画とテレビの手話表現が似たものになっていた点や、単語の位置について改善点が示されています。使いたい単語は口形だけに頼らず、手の形・位置・動きも教材で照合してください。
⑤日本語の文字に引かれて、別の意味を表していないか
2025年版の講評には、日本語の言い方に引かれ、伝えたい意味に合わない表現になっている点への指摘があります。原稿の語を一つずつ置き換える前に、「誰の、どんな状態を伝えたいか」を確かめ、その意味に合う手話表現を選びましょう。
⑥具体的に応答し、分からない部分は聞き返す
各年版では、肯定・否定だけで終えず、具体的な内容で応答することが勧められています。2025年版の講評では、質問が分からない場合の聞き返しも助言されています。質問の長さで焦って推測せず、確認してから答えるやり取りを練習してください。聞き返しは会話の確認に使い、返答には質問に合う理由や場面を添えます。
講評を使って復習するときは、今回直す点を一つ選ぶようにします。たとえば視線なら相手を見ること、単語なら正しい位置、応答なら具体的な内容を添えることに集中し、直した後に同じ内容をもう一度表現してください。
表現の仕方|講評で参考になる5つの工夫
過去問の講評では、単語の正確さに加え、場面・変化・量・人物をどう伝えたかにも触れています。講評の要点をもとに、確認する箇所をまとめています。
2021年版場面を区切り、大きさや動作を伝える
講評の要点:話の場面を区切り、物の縦横の大きさや、作業を続ける様子を表している点が評価されています。
復習で行うこと:「家族の様子 → 自分が感じたこと → 自分がしたこと」を区切って表現します。物や作業を話す箇所では、形・大きさ・動作まで伝わるかを確かめます。
2022年版以前と今の違いを伝える
講評の要点:生活の変化が分かりやすく、表情とテンポの変化で気持ちが伝わる点が取り上げられています。
復習で行うこと:「以前」「現在」「これからの希望」を分けて話します。気持ちが変わる箇所では、内容に合う表情や間も意識してください。
2023年版増えた・減ったを視覚的に表す
講評の要点:数量の変化を、グラフを思わせる表現と表情で伝えている点が評価されています。
復習で行うこと:人数や活動の変化を話すときは、以前と今を対比します。数値に加え、増えたのか減ったのかが相手に伝わるよう表現してください。
2025年版誰の話かを示し、名前は丁寧に表す
講評の要点:主語が切り替わる箇所の分かりやすさと、名前を指文字で丁寧に表している点が取り上げられています。
復習で行うこと:「自分」「交流した相手」「周囲の人」のうち、誰の行動や考えかを明確にします。名前の指文字は急がず、練習相手が読み取れるかを確かめてください。
2024・2026年版手の位置と指の形を曖昧にしない
講評の要点:2024年版には単語の位置への指摘があり、2026年版のアドバイスでは指先まで明確な表現が評価されています。
復習で行うこと:使う単語を一つ選び、手の位置・伸ばす指・曲げる指を教材と照合します。意味を知っている単語も、形が曖昧になっていないか確認してください。
面接前に用意するのは、3種類のメモ
6回のテーマを踏まえ、交流の経験・活動の経験や希望・手話や情報についての意見を一つずつ整理してください。メモの項目は次のとおりです。
- 交流の経験:相手、場面、やり取り、気づき、今後。経験が少なくても、実際にあった一場面を選びます。
- 活動の経験や希望:活動内容、自分の役割、感じたこと、これからしたいこと、その理由。
- 自分の意見:身近な出来事、考えたこと、その理由、周囲に伝えたいこと。
題材が思いつかないときのヒントも、問題集にあります。
- 2024年版:テーマにあるドラマや映画を見ていなくても、ろう者との関わりで感じたことを振り返る方法が示されています。その経験から、作品でろう者や手話が取り上げられることをどう考えるかにつなげます。
- 2025・2026年版:交流で感じたこと、相手の立場、手話以外の伝達方法、ろうの歴史や文化などが、考えを整理する手がかりとして挙げられています。
経験がない場合は作り話を加えず、関心を持った理由や今後の希望を、出されたテーマに沿って伝えます。用意した話をそのまま使うのではなく、そのテーマへの答えになっているかを確かめてください。
2分間で、テーマへの答え・具体例・考えを伝える
練習では、まずテーマへの答えを一文で伝え、具体例を一つ説明し、自分の考えや理由につなげます。2分間を計って、テーマに沿った内容を手話で伝える練習をします。
練習では、テーマに答えているか、人物や場面が伝わるか、理由まで表現できているか、説明が重複していないかを意識します。言えなかった言葉は教材の映像で確かめ、同じ内容をもう一度表現します。この構成は練習のための提案で、公式の必須構成ではありません。
スピーチ後の質問に答える練習
テーマ一覧だけでは、その後にどの質問を受けるかは分かりません。各年版の説明では、スピーチの内容を参考に、試験領域の範囲で質問が行われるとされています。
スピーチ後は、話した経験について「いつ・誰と」「具体的に何をしたか」「なぜそう思ったか」「今後どうしたいか」を、練習相手に順番を変えて尋ねてもらってください。質問の内容を読み取り、その問いへの答えと理由や具体例を返します。これはオリジナルの練習例で、実際の面接質問を再現したものではありません。
短い返答で終わったら理由や場面を一つ補い、聞かれたことと違う話に進んだら、質問に戻ります。慣れたら、2分間のスピーチの直後に3分間の会話を続け、質問を追加・変更してもらいましょう。その場の問いに答え、次の質問を受けるところまで練習します。
次の勉強で取り組むことを決める
今日の学習では、筆記①〜③から説明できない項目を一つ選び、読み取りを一話復習し、面接の3種類のメモから一つを2分間で表現してください。終わったら、次に直す箇所を記録します。
| つまずき | 次の復習 |
|---|---|
| 用語を思い出せない | 意味から説明する |
| 似た制度で迷う | 目的・対象を比べる |
| 似た表現を選ぶ | 映像で違いを探す |
| 話の筋を見失う | 人物・理由・結末を整理 |
| テーマから話がそれる | 答えと具体例を絞る |
| 質問への返答に詰まる | 原稿なしで応答練習 |
新しい年版をまだ解いていない場合は、一冊を初見の練習用に残す方法もあります。すでに答えを覚えた問題は、正答数だけで判断せず、なぜその答えなのかを説明できるかまで確かめましょう。
繰り返し出た項目を復習しながら、未確認の分野にも戻る。この往復で、筆記の知識、映像の理解、自分の考えを伝える力を少しずつつなげていきます。
具体的な練習手順や時間の組み合わせは、準1級の対策講座で紹介しています。