ろう者の方にも美容を楽しんでもらいたいと思ったきっかけ
手話を始めたきっかけの一つに、ろう者の方にも美容を楽しんでもらいたいという思いがあります。
美容室で髪を整えたり、ネイルやメイクを楽しんだりする時間は、自分らしさを表現する大切な時間です。だからこそ、聞こえる人だけでなく、ろう者の方も安心して美容を楽しめる環境を増やしたいと考えるようになりました。

美容学校で見た動画がきっかけでした
美容学校に通っていた頃、ろう者の方が美容室でコミュニケーションを取る難しさについて話している動画を見ました。
美容室では、髪の長さや前髪、カラー、パーマ、仕上がりの雰囲気など、細かな希望を伝える場面がたくさんあります。施術中にも、熱さや痛み、姿勢について伝えたいことが出てきます。
その一つひとつを伝えることが難しいとしたら、美容を楽しみたい気持ちがあっても、不安を抱えたまま過ごすことになるかもしれません。
動画を見たとき、私が持っている美容師資格や、これから学ぶ手話を生かして、何かお手伝いできることはないだろうかと考えました。それが、手話を始めた理由の一つです。
美容室では細かな希望を伝えたい
美容室で大切なのは、メニューを選ぶことだけではありません。
「もう少し短くしたい」
「前髪は目にかからない長さにしたい」
「カラーは明るすぎない色にしたい」
「シャンプーのお湯が少し熱い」
このような細かな希望や、その場で感じたことを伝えられることが安心につながります。
手話ができる美容師さんが増えることは、とても大切です。同時に、手話だけに限らず、文字や画像、指差しなど、複数の伝え方が選べることも必要だと感じています。
お客さまと美容師さんが、お互いに内容を確認しながら施術を進められること。そのための方法を、美容を学んだ立場と手話を学ぶ立場の両方から考えていきたいです。
美容師資格があるからこそ考えられること
私は美容師資格を持っているため、美容師側の流れを想像しながら考えられる部分があります。
一方で、手話については現在も学んでいる途中です。ろう者の方とのコミュニケーションについて、まだ知らないこともたくさんあります。
だからこそ、自分の経験だけで決めつけず、実際に使う方の声を聞きながら進めることを大切にしたいと思っています。
手話を身につけ、将来は手話通訳士の勉強にも挑戦しながら、美容の現場で必要な伝え方を少しずつ増やしていきます。
ヘアだけでなく、ネイルやメイクにも広げたい
今はヘアを中心に考えていますが、美容は髪だけではありません。
私はこれまでにネイルの検定にも挑戦し、現在はジェルネイルについても勉強しています。メイクも以前から好きで、美容全般に関心があります。
将来的には、ネイルの色やデザイン、長さや形、メイクの仕上がりや苦手なことなども、安心して相談できるようにしたいです。
女性の美容だけでなく、男性のネイルや身だしなみも含め、さまざまな方が自分らしく楽しめる美容を支えたいと考えています。
手話と美容をつなぐアプリも作っています
美容室でのコミュニケーションを助けるアプリの開発も進めています。
画面をタップして施術の希望を選んだり、美容師さんに伝えたいことを事前に登録したりできる仕組みです。施術中に「熱い」「痛い」「少し待ってほしい」と伝える画面や、美容師さんの音声を文字で確認する機能も検討しています。
アプリはまだ開発途中です。実際に使いやすいものにするには、ろう者の方や美容師さんの意見を聞く必要があります。自分だけでは気づけないこともあるため、試しながら内容を見直していきます。
美容室でのコミュニケーションを助けるアプリの開発過程も、手話ライフで記録していく予定です。
まずは自分の手話の力を高める
美容の現場でお客さまの希望をしっかり聞くためには、まず自分自身が手話を身につけることが大切です。
現在は全国手話検定準1級に向けて勉強しています。単語や文法を覚えるだけでなく、相手の表情や口元も含めて読み取り、自分の考えを分かりやすく伝えられる力を身につけたいです。
手話通訳士の勉強など、これから挑戦したいこともあります。焦らず、一つずつ学びながら、美容の場面で使える手話も発信していきます。
美容を安心して楽しめる場所を増やしたい
ろう者の方が美容室に行くとき、「うまく伝わるかな」と不安にならずに、自分の希望を伝えられる。美容師さんも内容を確認しながら、安心して施術を進められる。
そんな環境づくりの手助けができればと思っています。
すぐにすべてを実現できるわけではありません。それでも、手話を学び、美容の経験を生かし、アプリの開発や情報発信を続けることで、少しずつ形にしていきます。
手話と美容をつなぐことで、美容室やサロンで笑顔になる人が増えていく。そのために、まずは自分にできることから一緒に進めていきたいです。
手話を学んだ先で、実際の交流や福祉活動にも関わっていきたいと考えています。これから参加したい活動については、手話を学んだ先に、どんなボランティアができるか考えてみたでも紹介しています。