自分の手話、録画してみたら…

ノートPCで自分の手話動画を見返して驚く男性と、「自分の手話動画を見て意外だったこと」の文字が入ったイラスト
自分の手話を録画して見返す場面をイメージしたイラストです。

手話の勉強を続けていると、単語を覚えたり、文章を考えたりすることに一生懸命になります。自分では、それなりに手話を表現できるようになってきたと思っていました。

でも、自分の手話を動画で見返してみると、思っていた姿とはかなり違いました。正直、ちょっとショックでした。

顔は下を向いていて、ほとんど前を見ていない。表情も硬く、笑顔もほとんどありません。「自分って、こんな顔で手話をしていたんだ……」と、動画の中の自分を見て、少し恥ずかしくなりました。

手は動いているのに、顔は無表情

手話で話しているとき、今の自分は文章を考えるだけで精いっぱいです。まず頭の中で伝えたい内容を何となく組み立てます。そこから、手話の語順や表現の仕方を意識しながら、一つずつ手を動かしていきます。

以前は日本語の文章をそのまま手話に置き換えようとしていましたが、最近は少しずつ、手話ならではの表現の組み立て方も意識するようになりました。ただ、その分、頭の中は結構忙しいです。

「次の単語は何だったっけ?」「この手の向きで合っているかな?」そんなことを考えているうちに、顔の表情まで気が回らなくなります。

動画で見ると、手は一生懸命に動いているのに、顔はほとんど無表情。笑顔も少なく、口の動きもあまりありません。

手話をしているのに、顔だけフリーズしている。 自分では真剣に伝えているつもりでも、相手から見ると少し違った印象になっているかもしれません。

なぜか、自分の手元ばかり見ている

表情が硬い男性、自分の手元を見る男性、相手の顔を見て手話で話す男性を並べたイラスト
左・中央は気になった表情と視線、右は目指したい会話の姿をイメージしています。

もう一つ気になったのが、視線です。動画の中の自分は、思っていた以上に下を向いていました。相手に伝えようとしているはずなのに、手の形や位置が気になって、つい自分の手元を見てしまいます。

さらに、次の単語を思い出そうとすると、視線が別の方向へ。頭の中で必死に表現を探している間、相手の顔を見る余裕がなくなっているのだと思います。

手話では、手の動きだけではなく、相手の表情や視線、身体の動きも大切です。それなのに、自分は相手を見ることよりも、正しく手を動かすことに集中していました。

会話をしているつもりが、自分の記憶と格闘していた。 そんな感じだったのかもしれません。

次の単語が出てこないときは?

手話で会話していると、覚えているはずの単語が急に出てこなくなることがあります。特に緊張していると、普段なら簡単に表現できる単語でも、一瞬思い出せなくなります。

そんなときは、指文字を使ったり、文章を少し変えて、知っている別の表現で伝えたりしています。できるだけ途中で会話を諦めず、最後まで伝えたいからです。

ただ、その間も頭の中では、次に使える表現を必死に探しています。相手に何を伝えるか考えて、知っている単語を探して、手話の語順も意識する。今の自分には、それだけでかなりの作業です。

だからこそ、表情や身体の動きまで意識する余裕がないのだと思います。

ろう者の先生の手話は、もっと自然だった

先日、初めてろう者の先生とオンラインで1時間、手話を使って会話しました。そこで印象に残ったのは、先生の手話の自然さです。

もちろん、スピードが速いことにも驚きました。でも、それ以上に、教材の動画で覚えてきた表現とは少し違って見えるところがありました。

教材の動画を見るときは、一つひとつの手の形や動きを確認しながら覚えてきました。一方、先生の手話は動きがとても滑らかで、自然につながっていました。必要な動きを無理なく表現しているように見えて、同じ手話でもこんなに違うんだと感じました。

もちろん、教科書の表現が間違っているということではありません。私が教材で学んだ表現と、今回の先生の会話で見た表現には、違いがあるように感じました。

そして、何より印象的だったのが表情の豊かさです。先生は表情や身体の動きも使いながら話していて、会話しているこちらまで楽しくなりました。

「もっと話してみたい」「もっと読み取れるようになりたい」。自然とそう思える1時間でした。

手話は、手だけで話しているわけじゃない

手話を勉強していると、どうしても単語や手の形を覚えることに集中してしまいます。でも、実際にろう者の先生と話したり、自分の手話を見返したりすると、手以外の部分も大切なのだと改めて感じます。

顔の表情、視線、口の動き、肩や身体の使い方。こうした手以外の動きは「非手指動作」と呼ばれ、手話の意味や文法にも関わっています。ただ笑顔でいればいいわけではなく、伝えたい内容に合った表情や動きをすることが大切です。

今の自分は、まだそこまで意識する余裕がありません。でも、だからこそ、これから少しずつ練習していきたいと思っています。

これからはシャドーイングも取り入れたい

今回、自分の手話を見返してみて、これからの課題がかなりはっきりしました。まずは、覚えている単語をもっと自然に表現できるようになること。そのために、同じ単語や短い文章を何度も繰り返して練習したいと思っています。

これからは、動画を見ながら手話の動きやリズムをまねる、シャドーイングにも取り組んでみたいです。ただ手の動きをまねるだけではなく、表情や視線、身体の動きにも注目してみたいと思います。

タブレットの手話動画を見ながら、表情と手の動きを参考にして練習する男性のイラスト
これから取り入れたい、動画を参考にした手話練習のイメージです。

また、自分の手話を録画して、少しずつ変化を確認することも続けたいです。最初は無表情だったとしても、練習を重ねることで、どのくらい自然に表現できるようになるのか。自分でも少し楽しみです。

いつか、気持ちまで伝わる手話に

今回、自分の手話を客観的に見て、正直かなり恥ずかしい気持ちになりました。思っていた以上に表情が硬く、視線も下を向いていて、動きもおぼつかないところがありました。でも、自分の課題に気づけたことは良かったと思っています。

手話を覚えることと、相手に自然に伝えられることは、まだ少し違うのかもしれません。今はまだ、文章を考えて表現することで精いっぱいです。

それでも、練習を繰り返して、いつかは相手の顔を見ながら、余裕を持って会話できるようになりたいです。そして、ただ正確に手を動かすだけではなく、「これを伝えたい!」という気持ちまで相手に届くような手話を身につけたいと思っています。

今回の録画は、少しショックでした。でも、これも上達するための大切な発見だったのかもしれません。

皆さんも、自分が手話をしている姿を録画してみたことはありますか?