全国手話検定1級の過去問傾向|ストーリー・スピーチ・小論文

← 1級の学習ページへ

1級の過去問題集を6冊並べ、読み取りストーリーの題材、スピーチ、小論文のテーマを見比べました。読み取りには家族や旅行のような生活の話と、情報保障や社会制度のような話が混ざっています。私が学習の順番を考えるために整理した内容で、次回の出題予想や合格を保証するものではありません。

手話のストーリーを見ながら、家族・災害・情報保障などの話題を整理する学習者のイラスト
題材を四つのまとまりに分けたイメージです。実際の過去問や手話表現を再現した絵ではありません。

1級で特に見ておきたいこと

6冊を見比べて、私は次の三点を優先したいと思いました。3級までの短文と違い、1級では話題を知っているだけでは足りず、ストーリーの展開や話し手の考えまで追う必要があります。

優先したいこと過去問から見えた理由練習で確かめること
生活の出来事も社会の話題も読む家族の経験と情報保障・制度の話が同じ年版に並ぶ初めて見る話を、人物・出来事・理由・結末に分けて説明する
同じ主題を別の場面で考える電話リレーサービス、ヤングケアラーなどが異なる年版にも登場する主題名を覚えるだけでなく、今回は誰に何が起きたかを読む
自分の考えを伝え直すスピーチの後に手話での質問があり、小論文でも理由が必要になる一つの話題を2分で話し、質問に答え、文章にもまとめる

確認した資料と、分かる範囲

手元の6冊に各8本、計48本のストーリーが掲載されています。保存した分析データには題材の要約を記録していますが、個々の設問・正答の分類はまだしていません。そのため、このページには「頻出単語ランキング」や「正答の種類別の出題率」は載せません。年版を比較した話題の重なりを、教材の映像を見るときの目印として扱います。

全国手話検定試験公式サイトの「1級」ページでは、読み取りはストーリーを見て答えるマークシート形式、筆記は小論文、面接はテーマに沿ったスピーチと手話の質問への応答です。手元の資料ではスピーチは2分、小論文は600〜800字程度として示されています。受験する回の形式は全国手話検定試験公式サイトの「1級」ページで確認してください。

1級の過去問題集、準1級・1級対応のテキスト、辞典、ノートを机に並べた写真
1級の章と、準1級・1級対応のテキストなど、手元で見比べた教材です。

読み取りは生活の話と社会の話が混ざる

題材を私が学習用にまとめると、次のような広がりがありました。一つのストーリーに複数の要素があるため、分類ごとの本数は出していません。

話題のまとまり確認した題材の例読み取りで追いたいこと
家族・暮らし夫や父との関係、旅行の思い出、孫との出来事誰の経験で、出来事の前後で気持ちがどう変わったか
情報保障・手話電話リレーサービス、記者会見の通訳、大学での情報保障誰が情報を必要とし、何が障壁や工夫になったか
災害・安全自然災害、防災の備え、事故への対応出来事、判断した理由、その結果を区別する
社会・制度社会参加、ヤングケアラー、働き方、偏見や権利話し手の説明と意見、立場の違いを分ける

情報保障や防災は複数の年版で姿を変えて登場しました。一方、日常の小さな出来事も繰り返し載っています。社会問題だけを読めるようにしても、生活の話を読む練習は省けません。 新しい題材を見たら、まず全体の筋をつかみ、その後に固有名詞や制度を調べます。

複数年版で重なった題材の見方

同じ言葉が再び出ても、ストーリーの内容まで同じとは限りません。次の表は、保存した題材の要約で確認できた重なりです。出題回数の多さによる順位ではなく、別の場面で読む練習の材料として示します。

重なった話題異なる年版にあった題材の例読むときに分けること
電話リレーサービスサービスそのものを扱う話/サービスを使った変更手続き仕組みの説明と、使った人の体験・結果
ヤングケアラー異なる年版のストーリーに登場誰がどんな役割を担い、何に困っているか
旧優生保護法命の平等を扱う話/訴訟を扱う話過去の出来事、現在への影響、話し手の意見
SDGs教育に結びつけた話/より広い話題としての登場大きな言葉だけでなく、その話で挙げられた具体例
家族との関係夫や父との関係、親心、妻や孫との出来事登場人物の関係と、前後で変わった気持ち

法律や制度を扱う話は、過去問を読んだ後に現在の情報を確かめます。名称を先に暗記するより、映像で誰の、どの出来事について話しているかをつかむことを優先します。

1級らしいストーリーの読み方

題材の名前だけを暗記しても、映像から人物の立場や話の結論は読み取れません。私は一本を見るときに、次の四つを別々にメモして確認したいです。

見るところ自分への問い迷ったら戻るところ
人物と関係誰の経験か、誰に向けた話か人物が初めて出た場面
時間と変化以前と今で何が変わったか場面が切り替わる前後
理由と結果なぜ行動し、どうなったか行動の直前と結末
事実と意見実際に起きたことと、話し手の考えは何か評価や感想が表れる箇所

たとえば「地域の集まりの知らせが届かず、参加方法を変えた」という話を練習用に私が作るなら、問いは「誰に情報が届かなかったか」「何を変えたか」「結果はどうなったか」にします。これは過去問の文章でも正答でもなく、読み方を確かめるためのオリジナル例です。実際の読み取り練習は、必ず手話の映像を見て行います。

スピーチでは社会の話題に自分の考えを添える

6冊のスピーチテーマには、災害への考え、ろう者の情報保障、スポーツ、最近のニュース、少子高齢化などがありました。災害は異なる年版でも話題になっていますが、次に同じテーマが出るとは限りません。

話題の例2分で話すための練習会話で聞かれそうな練習用の問い
災害と備えどんな情報が必要か、誰とどう共有するかを考える「その方法が難しい人にはどう伝えますか」
情報保障具体的な場面を一つ選び、課題と工夫を話す「誰の意見を聞いて進めますか」
社会のニュース確認できた事実と自分の考えを分ける「なぜその話題に関心を持ちましたか」
ろう者のスポーツ自分が見聞きした場面から広い課題につなげる「参加しやすくするには何が必要ですか」
少子高齢化影響を受ける人と必要な支えを具体的に考える「誰の立場から考えていますか」

右欄は私が作った会話練習用の質問で、過去問や面接委員の質問文ではありません。スピーチを録画して終わりにせず、練習相手に理由や具体例を手話で尋ねてもらい、返答まで試します。

小論文は「共生」を具体的な場面で考える

確認した小論文のテーマには、新しい手話の普及、共生社会、社会参加、デジタル技術、合理的配慮、デフリンピックを通じた社会のあり方がありました。題材は違っても、問いに対する立場を決め、その理由を具体的に説明する練習が共通して必要だと感じます。

問われた方向書く前に整理したいこと避けたいこと
情報を得る・伝える誰に、どの情報が、どの場面で必要か「情報保障が大切」だけで終わる
社会参加・共生どんな障壁があり、誰と改善するか当事者の経験を確認せず代弁する
技術と暮らし便利になった点と、使いにくい点の両方技術だけで全て解決すると決めつける
手話と文化誰が使い、どう広がるか一つの考え方を全員に当てはめる

6冊の小論文テーマを、原文の転載ではなく要約で並べると次のようになります。テーマ名を覚える表ではなく、初めての問いにも対応するための論点メモとして使います。

確認したテーマの要約練習で考えておきたい問い
新しい手話の創作と普及誰が、どんな場面でその表現を使うのか
聴覚障害者が暮らしやすい共生社会暮らしのどの場面に障壁があり、どう改善できるか
さまざまな分野への社会参加参加を妨げる具体的な条件と、必要な支えは何か
デジタル技術と暮らしの変化便利になる場面と、利用しにくい人への配慮は何か
合理的配慮きこえない・きこえにくい人の状況をどう確かめ、調整するか
デフリンピックを通じた共生社会大会後の日常にどんな変化を残したいか

過去問のテーマをそのまま書き直すより、別の場面に置き換えて600〜800字程度で書き、結論と根拠がつながっているか見直します。法律や制度に触れる場合は、今の公的資料で内容を確認します。過去問が出版された時点の説明を、そのまま現在の制度として書かないようにします。

過去問題集のポイントを練習に移す

手元の過去問題集の「試験のポイント」と掲載された受験者への講評には、次のような助言がありました。講評は掲載された受験者へのコメントであり、全員に共通する採点基準ではありません。

場面資料で強調されていたこと私なら試すこと
ストーリー下位級の単語も含めて学び、知らない語があっても話全体をつかむ初見の映像を最後まで見てから、分からない箇所に戻る
スピーチ提示された話題について自分の考えを整理し、広い視野で話を展開する立場・理由・具体例を2分に収める
会話質問を理解して、話の流れに合わせて応答する分からなければ聞き返し、質問の焦点に答える
小論文テーマとの一致、正しい知識、明確な論旨、段落と文体、字数を確認する書き終えた後に一項目ずつ読み直す

社会的な話題を広く知ることと、相手に伝わる手話で話すことを両方続けたいです。過去問に出た言葉を覚えるだけではなく、ろう者や手話を学ぶ仲間との実際のやり取りでも確かめます。

ここまでのポイントを実際の設問と照らしたいときは、1級の問題と解答・解説を過去問題集で確認できます。

これで合格!2026 全国手話検定試験 DVD付きこれで合格!2026 全国手話検定試験 DVD付き1級の出題形式を確かめ、読み取り・スピーチ・会話・小論文の復習に役立てる過去問題集です。Amazonで商品を見る

広告|Amazonのアソシエイトとして、手話ライフは適格販売により収入を得ています。

この傾向から決める復習の順番

まず初見のストーリーを映像で見て、人物・出来事・理由・結論を説明します。次に一つの社会的な話題について、事実と意見を分けて2分話し、相手の質問に答えます。最後に同じ話題を小論文で書き、主張がぶれていないか確かめます。この順番は私の学習用の提案で、公式の学習手順ではありません。

手話ライフのオリジナル読み取り動画問題は、撮影と内容確認が済んでから用意します。このページの日本語だけで読み取り試験の代わりにはできないため、教材の映像と手話でのやり取りに戻って練習してください。