電話リレーサービスとは?手話や文字で電話できる仕組みをやさしく解説

手話を使う利用者と音声で話す電話の相手を、手話をする通訳オペレータが双方向につなぐ電話リレーサービスのイラスト
手話を使う利用者と電話の相手を、通訳オペレータがつなぐ場面のイメージです。

手話で電話ができるって、知っていますか?

電話といえば、声で会話をするもの。

以前の私は、そう思っていました。

でも、手話の勉強を続けていく中で、耳がきこえない人や発話が難しい人でも、手話や文字を使って電話ができる仕組みがあることを知りました。

それが「電話リレーサービス」です。

全国手話検定準1級の筆記試験に向けて勉強していると、手話の表現だけでなく、聴覚障害のある人の暮らしを支える制度についても学びます。

電話リレーサービスも、そんな学習の中で改めて関心を持ったテーマの一つです。

今回は、電話リレーサービスとは何なのか、どのように会話がつながるのかを、初心者の方にも分かりやすく紹介したいと思います。

電話リレーサービスとは?

電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある人と、きこえる人を、通訳オペレータが電話でつなぐ公共サービスです。

利用者は、スマートフォンなどを使って「手話」または「文字」で伝えます。

その内容を通訳オペレータが音声にして、電話の相手に伝えます。

反対に、電話の相手が音声で話した内容は、通訳オペレータが手話や文字にして利用者に伝えます。

つまり、二人が同じ方法で話せなくても、通訳オペレータを介して、その場で双方向の会話ができる仕組みです。

2021年7月1日から、法律に基づく公共インフラとしてサービスが提供されています。

どうやって会話するの?

例えば、手話を使う人が、お店に電話をして予約したい場合を考えてみます。

まず、利用者が電話リレーサービスを通して、お店に電話をかけます。

利用者は画面に向かって手話で「予約をしたいです」と伝えます。

通訳オペレータは、その内容を音声にして、お店の人に伝えます。

お店の人が「何日の何時をご希望ですか?」と答えたら、その音声を通訳オペレータが手話にして返します。

このやり取りを繰り返すことで、会話が成立します。

文字を使う場合は、利用者が入力した文章をオペレータが読み上げ、相手の音声を文字にして伝えます。

利用者が文字で予約の希望を伝え、通訳オペレータが音声にしてお店に伝える様子と、お店の返答を文字で利用者に返す流れを双方向の矢印で示したイラスト
文字を使った通話のイメージです。利用者の文字を音声で伝え、電話の相手の返答を文字にして利用者へ伝えます。画面は説明用のイメージです。

通訳オペレータが、本人の代わりに予約内容を決めるわけではありません。

会話をしているのは、あくまで電話をかけた人と、電話を受けた人。

通訳オペレータは、その二人の会話をつないでいます。

きこえる人にも、手話の知識は必要?

電話の相手が手話を知らなくても、電話リレーサービスを利用した人と会話できます。

例えば、手話を使う人からお店や会社に電話がかかってきた場合、相手は普段の電話と同じように音声で話します。

通訳オペレータが間に入るので、電話の相手が手話を覚えている必要はありません。

また、きこえる側の電話相手には、基本的にサービスへの登録や専用アプリのインストールは必要ありません。

電話を受けたときには、通訳オペレータを介した通話であることを理解し、相手の返答を待ちながら会話することが大切です。

電話リレーサービスを介した電話を受けるときの対応を、オペレータの案内を聞く、音声で話す、相手の返答を待つという三つの順序で示したイラスト
きこえる人が、電話リレーサービスを介した電話を受けるときの対応例です。

利用するには登録が必要?

電話リレーサービスを利用する、聴覚や発話に困難のある人には、事前の利用登録が必要です。

登録後は、利用者ごとに050から始まる専用の電話番号が発行されます。

この番号を家族や知人、職場などに伝えておけば、きこえる側から電話をかけてもらうこともできます。

つまり、きこえない人から電話をかけるだけでなく、電話を受けることもできるのです。

利用登録の条件や必要書類、料金プランなどは変更される可能性があるため、申し込む際には最新の案内を確認することが大切です。

利用料金はかかる?

公共サービスですが、すべての通話が無料というわけではありません。通話料は原則として電話をかけた人が負担します。

登録している利用者の料金プランには、月額料があるものと、ないものがあります。電話をかける相手やプランによって通話料が異なり、緊急通報の通話料は無料です。

きこえる側から利用者の050番号に電話をかける場合は、契約している電話会社のIP電話向けの通話料金が適用されます。

詳しい金額やプランは、申し込むときに公式の料金案内で確認してください。

24時間365日、利用できる

電話リレーサービスの特徴の一つが、24時間365日利用できることです。

日中の買い物や予約だけでなく、夜間にも電話で連絡できます。

また、警察や消防などの緊急通報機関への連絡にも対応しています。

電話が必要になるのは、いつも決まった時間とは限りません。

そのため、時間帯を問わず利用できる仕組みがあることは、とても重要だと思います。

ただし、利用する際にはインターネット接続などの通信環境が必要です。緊急時に備えて、ほかの連絡方法も知っておくと安心です。

手話通訳士を目指す勉強の中で感じたこと

私は現在、手話の学習を続けながら、将来的に手話通訳士になることを目指しています。

勉強を始めた頃は、手話の単語を覚えることや、会話を読み取れるようになることに意識が向いていました。

でも、学習を続けていくと、手話通訳は目の前の会話だけでなく、さまざまな場面で人と人をつないでいることが分かってきました。

電話リレーサービスは、その一例です。

手話や文字と音声をつなぐことで、電話によるコミュニケーションの選択肢が広がります。

お店への予約、仕事の連絡、家族との会話。

日常のさまざまな場面に関わる仕組みだからこそ、多くの人に知ってもらいたいと思いました。

また、きこえる側の人もサービスの存在を知っていれば、通訳オペレータから電話がかかってきたときに、落ち着いて対応できるのではないでしょうか。

手話を学ぶことは、手の動きを覚えることだけではありません。

こうした制度やサービスを知り、コミュニケーションについて考えることも、大切な学びの一つだと感じています。

まとめ|手話や文字でも、電話でつながれる

電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある人と、きこえる人が、通訳オペレータを介して電話で会話できるサービスです。

手話や文字と音声を相互に通訳することで、その場で双方向の会話ができます。

利用者には事前登録が必要ですが、きこえる側の電話相手には登録が必要ありません。

また、24時間365日利用でき、緊急通報にも対応しています。

全国手話検定の勉強を通して知った電話リレーサービス。

これからも、手話そのものだけでなく、手話を使う人たちの暮らしや、コミュニケーションを支える仕組みについて学んでいきたいと思います。