ろう者が運転免許を取れるようになるまで|手話検定で知った歴史

全国手話検定準1級の勉強をしている中で、ろう者が運転免許を取れるようになるまでの歴史を学びました。
昔は、聞こえないことが理由で、運転免許を取得する道が閉ざされていた人たちがいました。制度が変わるまでには、運転免許獲得を求める運動や、条件付きでの取得など、いくつものハードルがありました。
今回は、1968年・1973年・2008年という三つの年を軸に、勉強を通して知った歴史をまとめます。
まずは、運転免許取得への歩みを整理
大まかな流れは、次のとおりです。
| 年 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1968年 | ろう者の運転免許獲得運動が大規模に展開される。 |
| 1973年 | 補聴器の装着を条件とする警察庁の通達が出される。 |
| 2008年 | 補聴器を使っても聴力基準を満たせない人にも、一定の条件のもとで普通乗用車の免許取得が認められる。 |
年ごとに、取得できる人や条件が少しずつ変わってきました。それぞれの出来事を、順番に見ていきます。
1968年|運転免許獲得運動が大きく広がる
1968年、全日本ろうあ連盟は、ろう者の運転免許獲得運動を大規模に展開しました。この運動が、国がろう者の免許取得について検討を進めるきっかけになりました。
1968年は、免許取得を求める運動が大きく進んだ年です。この時点で、すべてのろう者が免許を取れるようになったわけではありません。
1973年|補聴器の装着を条件に、取得への道が広がる
1973年には、補聴器の装着を条件とする警察庁の通達が出されました。運動を通じて、免許取得への道が広がった節目です。
ただし、補聴器を付ければ、誰でも取得できるという制度ではありませんでした。補聴器を使っても、必要な聴力の基準を満たせない人には、免許取得の壁が残っていました。
条件付きで取得できるようになったことと、すべての人に道が開かれたことは、分けて理解しておきたい点です。
2008年|補聴器を使っても基準を満たせない人にも道が開かれる
2008年6月1日には制度が変わり、補聴器を使っても聴力の基準を満たせない人にも、一定の条件のもとで普通自動車の免許取得が認められるようになりました。
当時、運転できる対象は普通乗用車に限られていました。条件として、後方の安全を確認するためのワイドミラーの使用と、聴覚障害者標識の表示が求められました。
1973年から2008年までは35年あります。三つの年を並べると、条件付きの取得から、さらに対象が広がるまでの長い道のりが見えてきます。

2026年現在の条件は、当時の制度と分けて考える
ここまで紹介した内容は、制度の歴史です。2026年現在、免許を取得するときの条件は、2008年当時とまったく同じではありません。
例えば、警視庁の適性試験の案内では、両耳の聴力(補聴器による聴力も含む)について、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえることが、聴力の基準として示されています。
この基準を満たせない場合でも、特定後写鏡等の取り付けと聴覚障害者標識の表示を条件に、普通免許や準中型免許などを取得できると案内されています。「特定後写鏡等」は、ワイドミラーなど、後方や斜め後方の安全確認に使う設備です。
必要な条件は、聞こえ方や免許の種類によって異なります。取得や条件変更を考える場合は、お住まいの地域の運転免許試験場などで、本人に当てはまる条件を確認することが大切です。
手話検定の勉強で知った、制度が変わるまでの歴史
今回の準1級の勉強では、ろう者が免許を取れるようになるまで、さまざまな条件や厳しいハードルを乗り越えてきたことを学びました。
1968年の運動、1973年の条件付き取得、2008年の対象拡大。それぞれの年に何が変わり、どんな条件が残っていたのかを整理すると、歴史の流れをつかみやすくなります。
手話の勉強を通じて、こうした制度の歴史にも触れています。これからも、年号とその背景を一緒に確かめながら、少しずつ学んでいきたいです。
まとめ
ろう者の運転免許取得への歩みには、獲得運動の大規模な展開、補聴器を条件とする取得、聴力基準を満たせない人への対象拡大という節目がありました。
準1級の学習をきっかけに、その道のりと、制度が変わるまでのハードルを知ることができました。歴史上の条件と現在の条件を分けながら、学んだ内容を整理していきたいと思います。